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SW-PBM #116 ちるどれんず・ぱにっく! よなきとおおきないし |
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| ■ 【孤児院・寝室】 |
夜も更け、街が眠りに沈む頃。
突如、静寂を破る声が響く。
| ■チェルシー |
| びえぇぇえええ〜っ! |
……チェルシーの夜泣きである。
| ■ヘレン To:チェルシー |
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よしよし……チェルシー、良い子だから。 ね、泣き止んで? |
ヘレンがチェルシーをあやしながら、他の者の迷惑にならないようにとそっと部屋を出て行こうとしている。
| ■ヴィタリ To:ヘレン |
| ん〜、大丈夫かぁ〜? |
寝惚け眼でもそもそと起きあがる。
| ■ヘレン To:ヴィタリ |
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うん……。 ちょっと、チェルシーが泣き止むまでお外であやしてくるから。 |
そう言って寝室から離れる。
廊下の向こうから、まだ微かにチェルシーの泣き声が聞こえてくる。
気になってそちらの方へ行ってみるヴィタリ。
| ■ 【孤児院・廊下】 |
| ■ヴィタリ To:ヘレン |
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こんな真夜中に大変だな。いつもこうなのか? どれ、わたしが代わりにあやしてあげよう。 |
子守なんてした事ないくせに、無謀にも手を差し出す。
| ■ヘレン To:ヴィタリ |
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ん……じゃあ。 ミルクの用意するから、その間お願い。 |
ヴィタリの腕にチェルシーを預け、とたとたと台所へ向かう。
一方、ヴィタリの腕に収まったチェルシー。
なんだかいつもと居心地が違うせいか、早くも泣き出しそうになっている。
| ■ヴィタリ To:チェルシー |
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今ヘレンがミルクの用意をしているからなー。 もう少し辛抱してくれよ。 |
とにかく話しかける事にしたらしい。
| ■チェルシー |
| ふあぁ……うぁ……(T-T) |
泣きそうで泣かない、微妙なカンジ。
ヴィタリが懸命にチェルシーをあやし続けてしばらくが経った時。
ヘレンのいる台所の方からガツ、ゴツという鈍い音、それに続いて
バキッ!
という何かの壊れるような音が響いてきた。
| ■ヘレン |
| きゃっ! |
間を置かず聞こえる、ヘレンの悲鳴。
| ■ヴィタリ |
| ん? 何か物音が・・・。いや、ヘレンの声も?! |
玄関前でチェルシーをあやしていたヴィタリ。
音を聞きつけ、チェルシーを落とさないようにとキュッと抱き直し、慌てて台所へ向かう。
| ■ 【孤児院・寝室】 |
| ■ルフナ |
| ふにゃっ、何、何?!何の音??? |
一方のルフナ。
今までチェルシーの泣き声にも気付かずに気持ち良さそうに寝ていたが、物音と悲鳴で目が覚めてベッドから跳ね起きる。
急いでベッドから降り、ヴィタリの寝ていたベッドを覗く。
| ■ルフナ To:ヴィタリ |
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ヴィタリ!何か物音が…ってホルスくんしかいないじゃない。 ヴィタリは何処行ったのかしら…。 |
| ■ホルス To:寝言 |
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むにゃむにゃ……兄ちゃん、逃げるな〜。 仮面ラーダは正義の味方だぞ、逃げたらダメだ…。 |
そのホルスくん、泣き声にも物音にも負けずに幸せそうに寝ている。
| ■ 【孤児院・台所】 |
慌てて台所に駆けつけてみると、ヘレンが床にうずくまっていた。
どこかから風の吹き抜ける音が聞こえる。
視線を巡らせると、乱暴に叩き壊されたかのような木戸が目に付いた。
| ■ルフナ To:ヘレン |
| ヘレンちゃん!!どうしたの? |
| ■ヘレン To:ALL |
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あ……突然、音がして、木戸が壊れて……。 何か、飛び込んできたみたいに……。 |
突然の事に軽いパニックに陥っているらしく、ヘレンの言葉は要領を得ない。
| ■ルフナ To:ヘレン |
| ヘレンちゃん、わたしが来たから大丈夫よ。 |
ヘレンを落ちつかせる為に軽く肩を抱き、にっこりと話しかける。
| ■ルフナ |
| 飛び込んできたみたいに…か…。 |
何か潜んでいないか、部屋の中を慎重に探す。
しかし、部屋も暗い上に壊れた木戸の破片が散らばっているため、なかなかそれらしいものが見つからない。
| ■ルフナ |
| うーん、何にも無いような気がするし、あるような気もするし…。 |
暗い中、よく目を凝らして見ても、やっぱりわからない。
| ■ルフナ |
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こう言う事はヴィタリの分野なのよね。 肝心な時にいないなんて、一体何やってるのかしら。 |
玄関先辺りでチェルシーをあやしているハズです。
と、そこへちょーど良くチェルシーを抱っこしたヴィタリ登場。
| ■ヴィタリ To:ALL |
| ナニがあったんだっ?! |
| ■チェルシー To:ヴィタリ |
| ふあぁ……(T-T) |
なんだか緊張感漂うヴィタリの声に、チェルシー怯え気味。
| ■ヴィタリ To:チェルシー |
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あわわっ(汗)。 大丈夫だ、チェルシー。わたしがいるからには、大船に乗った気でいてくれ。 はっはっは! |
乳幼児相手に高笑い。こんな時になにやってんだか。
| ■チェルシー To:ヴィタリ |
| …………(T-T) |
怖さのあまり声も出ない。らしい。
| ■ルフナ To:ヴィタリ |
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あ、ヴィタリ。チェルシーのお守してたのね…。 それはそうと、木戸が壊されちゃったみたいなんだけど…。 |
木戸を指差し、ざっと状況説明する。
| ■ヴィタリ To:ルフナ |
| なるほど。・・・しかしこう暗くてはなぁ。 |
| ■ルフナ To:ALL |
| 灯かり、点けた方が良いよね? |
| ■ヴィタリ To:ルフナ&ヘレン |
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うむ、こう暗くては良く見えん。 油と火打石はどこにあるのかな? |
| ■ヘレン To:ヴィタリ |
| あ、そこのテーブルの上に……。 |
ヘレンの指差した先、テーブルにランプが置かれている。
| ■ルフナ To:ヴィタリ |
| それじゃわたしがチェルシーを抱っこしてるから、ヴィタリが灯かり点けてね。 |
| ■ヴィタリ To:ルフナ |
| よし、わかった。チェルシーを頼むよ。 |
チェルシーをヴィタリから受け取る。
ヴィタリがランプに火を灯すと、部屋が光に浮かび上がった。
壊れた木戸の破片がそこかしこに散乱している。
その中に混じって、ランプの灯火に冷たい光を照り返すこぶし大の大きさの石が転がっていた。
| ■ヴィタリ To:ALL |
| こんな大きな石が?! いったい、何の理由でこんな事を・・・。 |
| ■ハンナ To:ALL |
| なに、どうしたの? |
ハンナが眠そうに目をこすりながらやって来る。
| ■ヴィタリ To:ハンナ |
| あぁ、実はここに石を投げ込まれたようなんだ。 |
壊れた木戸や転がっている石に明かりを照らしてみる。
| ■ハンナ To:ヴィタリ |
| …………へ? |
目をぱちくり。さすがに事態を把握できないようだ。
| ■ヴィタリ To:ハンナ |
| 今までもこんな事があったとか…。何か心当たりはあるかい? |
| ■ハンナ To:ヴィタリ |
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ないない! じょーだんじゃないっ! 一体誰よ、こんな事したの? 悪戯にしちゃ度が過ぎてるわよ! |
| ■ヴィタリ To:ハンナ&ヘレン |
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今日はもう何もないとは思うが、外に出ないように。 わたしとルフナは朝まで起きているから、キミたちはゆっくり休みなさい。 |
| ■ハンナ To:ヴィタリ |
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はぁい。じゃ悪いけど、お願いね。 ヘレン、この人たちが見ててくれるから。安心して寝なさい、ね? |
こくん、と頷くヘレンを連れ、ルフナからチェルシーを受け取ってハンナは寝室へと戻って行った。
| ■ルフナ To:ハンナ&ヘレン |
| おやすみなさい〜。 |
部屋へ戻って行く後姿におやすみの挨拶。
| ■ヴィタリ To:ルフナ |
| 明るくなったら外を調べてみよう。 |
| ■ルフナ To:ヴィタリ |
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そうね。 あ〜あ、明日寝不足で辛そうだなぁ…(T-T) |
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