動物と正しく遊ぶには?
| リトナル商会 入り口 |
銀の網亭のおやじに教えられたオランのスラムに近い一角に、『古美術取り扱い リトナル商会』の看板を掲げた店があった。
今日は休業なのか、店の扉は閉まっている。
| ■ リムリィ To:店 |
|
えっと、ここでいいのかな? ごめんくださぁい。 |
リムリィの声に応えて、中から女性の返答があった。
すぐに入り口の扉が開かれ、現れたのは、年の頃は20代後半の綺麗な女性。
| ■ ミーシア To:おおる |
|
依頼を受けて下さる冒険者の方ですか? 私が、ミーシアです。どうぞ、お入り下さい。 |
| ■ リムリィ To:ミーシア |
| はい。おじゃまします。 |
依頼人(ミーシア)には見向きもせずに、店内を物色しているコリューン……。
| ■ コリューン To:禿げヅラ |
| おお! ぴかっぴか〜♪ かぁっこいいぞ〜☆ |
見つけだした禿げヅラを被って床を転げ回り始める。
| ■ コリューン To:モヒカンのヅラ |
| わぁ〜お! ふぁんたすてぃっく〜(*^o^*)!! |
更に禿げヅラの上からモヒカンのヅラをつけ、ヤモリのように壁にへばりつく。
……毎度の事ながら、どうやっているのかは不明である。
そしてその体勢のまま、「しゃぁ〜っ」と奇声を上げてチーゼルを威嚇する。
| ■ チーゼル To:コリューン |
|
うわっ…いきなり横からビックリさせないでく… 何やって…、…えっと、ちょっとそのままで待っててくださいね。(.. )( ..) ………えいっ♪ |
対するチーゼルも、店内から謎のピコピコハンマー(?)を探しだし、コリューンの頭を殴った。
ピコン! と言う間抜けな音が、店にの中に響く。
| ■ コリューン |
|
へ(*_*へ)(/*_*)/へ(*_*へ)(/*_*)/へ(*_*へ)(/*_*)/へ(*_*へ)(/*_*)/ ぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこ〜☆ |
| ■ ザック To:コリューン |
|
をいコリューン そいつは”千年魔道師の禿げ頭”ってもんでな。 長時間かぶってると皮膚と同化してその頭になっちまうぞぉ ほれ、もうくっつきはじめてるぞぉ |
| ■ チーゼル |
|
そ、そんなものがあるんですか(^^; …そうすると…これはなんなんでしょう? ……コリューンさんっ! 頭、たたいたところとか、それ以外でも何か変なところありません!? |
| ■ コリューン To:チーゼル |
| ん〜、ちょっと世界が曲がってるみたい〜☆ |
首が、絶妙に微妙な角度に曲がっている。お約束である。
| ■ リムリィ To:コリューン |
| そうそう、売り物なんだから勝手にかぶっちゃだめだよ。 |
そう言って傾いているコリューンの頭からヅラを取ると、ザックにかぶせる。
| ■ コリューン To:ザック |
| うっひゃ〜♪ オッサン、男前〜★ |
ケラケラとけたたましい笑い声を上げながら、床を転がりまわる。
| ■ ザック To:リムリィ |
|
だー!っくしょお! (ヅラを取って律儀にももとにあったところに戻す) とっとといくぞ ちっ後で覚えてろリム公め |
| ■ ミーシア To:おおる |
|
奧へどうぞ。 無闇に商品に手を触れられますと、外せなくなる物も御座いますので、お気をつけ下さい。 |
パーティーの様子にも動じた素振りは見せず、ミーシアは一行を奧へと案内した。どうやら店の奧が住居になっているらしかった。
居間と思しき部屋の扉の前で、ミーシアは一行を振り返った。
| ■ ミーシア To:おおる |
|
……今回の依頼の件は、この扉を開ければ分かっていただけるかと思います。 どうか、驚かれませんようにお願い致します……。 |
| ■ チーゼル To:ミーシア |
|
あ、はい。わかりました… えっと、その、驚かないように努力します(^^; |
ミーシアの雰囲気に少し気押されているようだ。
| ■ ザック To:チーゼル&ミーシア |
|
(チーゼルの頭を軽くこづく) バーカなんさいしょっから硬くなってんだ?こんなきれーなねーちゃんみてびびってんのか? へへへへへ まあ、安心してくれや、驚くことにゃあみんななれてるやつらなもんでな 遠慮なく言ってくれ |
| ■ リムリィ To:ミーシア |
| えっと、それじゃ扉開けていいですか? |
| ■ チーゼル To:ミーシア |
|
…んと、じゃあ開けちゃいますね。 なんか、大体のことには耐えられそうな気がしますし(^^; |
| ■ ミーシア To:おおる |
| 分かりました。 |
| リトナル商会 居間 |
チーゼルが扉を開けると、店の様子とはうって変わり、趣味の良い調度品が置かれた居心地の良さそうな居間であった。
鎧戸が上げられた窓から入り込む光と風が、心地よく冒険者達を包み込む。
そんな居間の中。ふと視線を下ろすと、床の上に何か大きな塊があった。
よく見ると、丸くなって寝そべる大人の男。そして、その横ではまるで猫のように丸めた手で顔をこする女の子が。
その頭の上では、猫の耳がピクピクしている。
よく見れば、床で寝そべる男のお尻からも、ふさふさの犬の尻尾が……。
| ■ ミーシア To:おおる |
| ……全く、お恥ずかしい限りです。 |
| ■ リムリィ To:ミーシア |
| えっと…その………なんていうか………何が……どうなってる……んで…しょう………? |
バートン(と思しき男)を避けるように視線を泳がせる。
| ■ チーゼル To:ミーシア |
|
え、えと、その…すみません。「驚く」というよりその…、えと…、ちょ、ちょっとすみません。 あは…、ふ。…ふぅ…あはは、平和そう〜 |
違和感があるようでないようで、でもやっぱり違和感にあふれるこの光景に、思わず笑いをこらえている。
意外と順応性高いのかもしれない。冒険者には重要な資質である。
| ■ ザック To:チーゼル&ミーシア |
|
(まぢまぢと見つめる) をい、チー公こりゃそんな平和なもんでもなさそうだぜ しかし、こりゃあまためずらしいもんひろってきたなあ つーか、いきもんか? |
| ■ コリューン |
| うりうり〜(^o^)♪ |
ブーツを脱ぐと、おもむろに寝ている男の鼻先に近づけた。
| ■ 犬男 To:コリューン |
| や、やめるワン! |
| ■ 猫娘 To:コリューン |
| にゃ! にゃん! |
揺れるブーツに、少女がじゃれついてきた。
| ■ コリューン To:犬男&猫娘 |
| わんわんにゃんにゃんこけこっこ〜☆ |
一緒になって、駆け回ったり、転げ回ったり、 犬男の鼻に噛み付いたり。
なんだ、こいつらは、コリューンと同じタイプの生き物か。
| ■ チーゼル To:ザック |
| …あは、やっぱり平和ですよ…実情はともかく雰囲気は(^^) |
そういって中に入り、猫娘の喉を撫でようとトライするチーゼル。
| ■ カヴァレス To:ミーシア |
|
まずは事情を説明して貰おうかぁ。俺にゃぁ人間にしか見えねぇが・・・もっとも,その尻尾と耳が付いてなけりゃぁの話しだがよぉ。 クク,まさかコイツらを退治しろってぇ訳じゃぁ無ぇだろぉ? |
周囲の喧騒など全く見えていないかの如く話し掛けるカヴァレス。
どうやら、このままでは話しが進まないと思ったらしい。
| ■ ミーシア To:おおる |
| 退治だなんてとんでもない! |
| ■ ラウル To:ミーシア |
|
(頬をポリポリ掻きながら)…ああ、もしかして、コレが旦那さんに娘さんってわけか? でもよ、どうしてこんな風になっちまったんだ? |
| ■ ミーシア To:おおる |
|
はい、こちらが、私の夫のバートンと、娘のアニエスです。 私にも、何が起こっているのか分からないのです。 原因は恐らく、これだとは思うのですが……。 |
ミーシアはそう言って、アニエスの髪をかき分け猫の耳を露出させた。
どうやらその耳は、頭にはめられたカチューシャから生えているらしい。
しかし、作り物とは思えないリアルさで、時々ピクピク震えたりしている。
アニエスは、ミーシアの手に顔を擦り付けゴロゴロ喉を鳴らしている。
| ■ ラウル To:ミーシア |
|
ふうん… オレはこういうの全然わかんねえけど… さっき、コリューン達が遊んでたヤツみたいなもんか? …まさか、店のモン間違えて付けちまったとかじゃねえよなあ?(^-^; |
| ■ ミーシア To:ラウル |
|
間違えて、というのは不適切ですが。 このカチューシャは、先日主人が買い取った物でして。 それを、何を考えたのか頭に付けたらしいんです。そうしたら……。 |
| ■ ザック To:ラウル&ミーシア |
|
まあ・・・さっきのヅラの話しはおれの口からでまかせだがな・・・・ まさかほんとに似たようなモンがあるたあおもわなかった で、こいつらは”人間”のつーかバートンとアニエスだったころの意識ちゅーもんは残ってるのか? とりあえずちっとみさせてもらうか |
| ■ ラウル To:ザック |
|
でぇっ…アレ、嘘だったのかあ? てっきりホントのことだとばっかり…(^-^; |
| ■ バートン To:ザック |
|
それは大丈夫だワン。 しゃべり方はおかしくなってしまったが、ほかは何の問題もないワン。 |
……本当か?(^^;;
| ■ リムリィ(ひとりごと) |
| なんかあんまり大丈夫じゃなさそうだけど……… |
| ■ アニエス To:ザック |
|
にゃん=^・・^= おじさんも遊ぶにゃん? |
| ■ ザック To:ミーシア&バートン |
|
・・・・・・ (ややあきれた顔をしている) うーむちとわからんなあ・・・ しっかし一応あんたもその道の人間なんだからやばいモンは身につけるなの鉄則くらいしってるだろーが よりによってこんな得体の知れないモン親子揃って身につけるなんて自殺行為だぜ・・・ (ミーシアに振り返る) で、俺らにどーしろっていうんだ? これをはずせっていうんなら魔道師ギルドにでも行ってはずしてもらうのが一番手っ取り早いんぢゃねーか? |
| ■ カヴァレス To:ザック&ミーシア&ラウル |
|
違ぇ無ぇ,紹介状でも書くかぃ?クックック・・・ もっともよぉ,何か訳が有ったから俺達を呼んだ,そうだろぉ? まずは知ってる事ぁ包み隠さず教えてくれやぁ。クク,交渉はその後だ。なぁ?リーダー殿よぉ。 |
振り向きざまに、カヴァレスはラウルに話し掛ける。
いつ、ラウルがリーダーに決まったんだろう?
| ■ ラウル To:カヴァレス&ALL |
| ん?…リーダーって?…オレ?(キョロキョロと後ろや周りを振り返る(笑) |
| ■ リムリィ To:ミーシア |
|
えっと………とりあえず詳しいいきさつを話してもらえますか? どうやって手に入れたか、とか……… |
| ■ ミーシア To:おおる |
|
そうですね。そちらの方の質問にもお答えしなければなりませんし。 それでは、椅子をどうぞ。 私は、お茶を入れてまいりますから。 |
部屋に残されたのは、冒険者一行と、怪しい生き物3匹……いや、2匹だ。
すまん、コリューン。