ようやく火事がおさまり、やっと普通の空気が吸えると思ったその時。
天井からパラパラと石の欠片が落ちてきたかと思うと、塔が小刻みに震え始め、足元が揺れ始めた。

誰もその危険を察知することはできなかった。
まるでスローモーションのように、天井を支えていた柱が折れ、すさまじい石の崩れる音を立てて、頭の上に落ちてきたのだ！

耳をつんざくような音のあと、目を開けると、もうもうと砂煙が舞う中、天井が半壊しているのがわかった。
かろうじて残ったわずかな柱に支えられ、もはや潰された鳥かごのようにひしゃげている。

落ちてきた瓦礫にぶつかったのだろう、腕を押さえている。
ウラヴィーも自らの肩を抱いて震え上がっているが、たいした怪我は無いようだ。

今の衝撃で青年衛視？も床に倒れているが、かろうじてまだ息はあるようだ。

彼には笑いの神が付いている（笑）

素直に褒めている。多分。

貶されたと思ったらしい（笑）
ちょっと憮然？

しっかり聞いていたらしい（笑）

アリエラの肩がずきんと痛んだ。瓦礫が肩にぶつかったらしい。

しかし、周囲を見ると、下への正面階段は瓦礫によって埋もれ、非常階段のドアは潰されてもはや開くことは敵わない状態になっていた。

部屋の中央にある火壷は無事だが、かがり火は消え、フランメグルはいずこかに姿を消していた。

屋根を失った最上階は、激しい雨にさらされている。空は暗い。

瓦礫を避けながら窓に近づいていく。
天井が半壊した衝撃で、壁もくずれ、くりぬかれた形の窓はもはやただのひび割れた壁穴だった。
雨で煙ったトールクーベの町並みが見える。

いつになく真剣な表情

右手の指輪にそっと触れながらつぶやく。

取り出したのは魔晶石３点。

大事そうに受け取る。

ソロバン勘定の笑み（笑）

新たなカップル？

落ちないように注意しながら、窓枠だったところから下を覗き込む。
キュラスも慎重に歩いていき、アリエラの肩越しに下を覗き込んだ。

目のいいキュラス。

窓へ近付いてくる。

実は近眼（笑）

ミリィを探して初めて下を見下ろした。

初体験の高さに絶句…。

言いつつキュラスも目をそらしている。

窓の外から目をそらす。
ミリィを探すのは諦めたらしい。

心配そうにリエラを見て言う。

ナッシェレも肩をすくめて首を振った。

自分が持ってきたから偉そうです。
ちなみにナッシェレが持っていない事は責めません（笑）

チッチッチッと指を振りつつ

なにやらこんなとこで説教開始？

窓から下を覗き込みながら、目測。

ばつが悪そうに指で頬をかきつつ。

フォローされまくって、ちょっと照れくさそう（笑）

なにやらアリエラとよさげな雰囲気が気に食わないのかも知れない（笑）

とか言いつつ顔が赤い。

お笑いパワーに押され気味（笑）

にっこり微笑んで、感謝。

ひきつった笑みを浮かべて頷く。
何か微笑みの中に怖いものを感じたらしい（笑）

右手の指輪をきらめかせて詠唱を行うナッシェレ。

しばしの沈黙が流れた。

指先に黒髪を絡ませて照れる。
あくまで陽気なナッシェレ。

キュラスとは明らかに対応が違う（笑）

なんか似合わないセリフ。

胸元からグリの顔を出し、その頭に手を置いて、もう一度詠唱。
今度はしっかりかかったようだ。

ナッシェレが笑顔でグリを手渡した。

再び羽織ったマントの内側に、しっかりとグリを抱きしめる。

窓枠だったところに立ち、下の景色をみつめる。
アリエラの体が恐怖で小さく震える。
そして、意を決したようにグリをしっかり抱きしめて飛び降りた。