神官になりたてのマーキュリーは、さっそく神殿の助言をあおごうとマーファ神殿に向かった。
神殿の入口では、何人かの神官がほうきで清掃をしている。掃いた側から落ち葉が舞い上がって、なかなか終わらないらしい。

と、突然マーキュリーの背後から何かが振り下ろされる気配。
その気合いの入った声は、最初に訪れた時にも聞いた声だ。

マーキュリーは森で鍛えた第六感ですばやく危険を察知し、ふりおろされたほうきを避けた！
ほうきの先はべしっ、と石畳を叩く。

パディは素早く（しつこく？）ほうきをぶんぶん振り回すが、マーキュリーにとっては涼しい風だった。

すでに息が上がっている。

マーキュリーはパディを捕まえようとするが、グラスランナー…とまではいかないまでも小さな彼の身体は持ち前のすばしっこさでその両腕からするりと逃げ出した。

軽いバックステップで、マーキュリーから遠ざかる。
その途中で別の神官にぶつかって、ぺこぺこと謝っている（笑）

一緒に謝る（笑

またも組み合いを狙って構えるマーキュリーに、素早く近寄ってほうきを一閃！
マーキュリーの肩にヒット！　…「ぱふっ」と切ない音を立てた。

その隙を逃さずに飛びかかるマーキュリー！
しかしマーファはパディに味方したのか？　またもするりと避けられた。

ガクッと膝から崩れ落ちるマーキュリー。
それに何度も言うようですがフレディは普通の荷馬です。（笑

顔を真っ赤にして、本気で身構えていたパディ。
何も起こらないことを確認してから、ホッと胸をなで下ろしてほうきを本来の形で持ち直した。

アーシリーとはマーファ神殿の女司祭で、マーキュリーに聖印を授けた人物である。

マーファ神殿の廊下を歩きながら、好奇心いっぱいの瞳で話しかけてくるパディ。

パディが興奮してまくし立てようとしたとき、ちょうどドアの前にたどり着いた。

元気よくノックした後、ドアを開ける。

そこには、テーブルに置かれた小さなマーファ像に向かって一心に祈りを捧げる女性の姿があった。
ややあってこちらを振り返る。

栗色の巻き毛の中でにっこりと微笑む。

小さなテーブルの席へと促した。

パディに小声で囁きながら肘でつつく。

戦々恐々としてつぶやく（笑）
アーシリーはそんなふたりの様子に気づいていないのかどうなのか、相変わらず柔和な微笑みを浮かべている。

パディは元気よく返事をすると、バタバタと出ていった。