ジェレイドは息絶えた。
戦いの終わった天然の広間は静寂に包まれる。
| ■ホラドリック |
| 兄さん・・・真なる自由に祝福を・・・ |
月の明かりに向けて祈りを捧げるホラドリック。
| ■リッキ |
| う…。ふぇ…… |
その場にへなへなと座り込んで泣き出す。
怖かったのか、ふがいない自分が悔しいのかは謎。
リッキの方に歩いていって目の前で膝をつい目線を合わせる。
| ■レヴィック To:リッキ |
| リッキちゃん、ダイジョウブ? |
| ■リッキ To:レヴィック |
|
…もっと早く会いたかったよぅ… そしたら、助けて…あげられたのに〜…… |
レヴィックの首に抱きついてわぁっと泣く。
| ■レヴィック To:リッキ |
|
……………。 リッキちゃんのその気持ち、きっと届いてると思うわ…… 今度は…助けられるといいわね……そうできるように頑張らなくちゃね。 |
落ち着くまで、リッキの頭を優しくなでる。
リッキは泣きじゃくりながらも、こくこくと頷く。
| ■ルキシュ To:ジェレイド |
| ……向こうで愛しい人と仲良く幸せになれるよう、ボク、お祈りするから…… |
| ■ライル |
|
………。 ……わざと… …避けなかったの…か? |
一方のライルは手に握る広刃の剣をじっと見つめながら呆然と呟く。
| ■シャッケル To:ライル |
|
約束、と、確か言っておったな。 もしかしたら、こやつはそれを今、果たしたのかも知れぬのぅ… |
爺ぃがその傍らで言った。
| ■シャッケル |
|
自由を唱える暗黒神の信者だったはずだが、 いろいろなものに縛られて、不器用な生き方しか出来なかった、 可愛そうな男だったのかも知れん。 |
| ■ライル To:シャッケル |
| ………。 |
ライルの脳裏にはジェレイドの最期の微笑みが思い出されていた。
| ■ライル |
| …何故なんだ。 |
| ■ザン To:ライル>ALL |
|
奴が何を考え、そして何を求めていたのか……今となっては、拙者たちにそれを知る術はない。 過ぎた事を悔やんでも仕方あるまい。 拙者たちがすべきは、今できる事を精一杯こなすだけだ。 |
| ■ライル To:ザン>ALL |
|
そう…なんでしょうね。 (ひとつ長い息を吐くと、目に力を蘇らせる) まずは彼を埋葬してあげましょう。 それが今できる事でしょうから… |
ライルは剣を鞘に収めるジェレイドの亡骸に手をかける。
| ■ライル To:ホラドリック |
|
ホラドリックさん。 彼はこの村のあの場所に埋葬させてもらってもよろしいですか? |
| ■ホラドリック To:ライル |
|
ええ、もしお許しが頂けるのであれば・・・。 せめて義姉が無くなった地で、安らかに眠って欲しいです。 |
| ■ライル To:ホラドリック |
| ………。 |
ライルはホラドリックの言葉に無言で頷くと
ジェレイドの身体を持ち上げた…すると。
| ■ライル |
|
ん? なんだ?羊皮紙……?? |
切り裂かれた服の隙間に縫い付けられた羊皮紙を見つけた。
そこには符丁のような記号と、無意味な一文。
一文に連なるように数字と思しきものが書かれてあった。
| ■ライル |
| …まさか…密書か!? |
| ■ザン To:ライル |
|
なんだと? ライル殿、それは手にしておくべきだ。 静かに終わらせてやりたいのも山々だが、このままでは被害が広がる可能性がある。 摘める芽は、摘んでおかねば。 |
| ■ライル To:ザン |
| はい! |
| ■シャッケル To:ホラドリック |
|
ふむ。ホラドリック殿。我々としても、結果的に人をひとり殺めてしまったわけであるし、念のため、これを身の証に預かってもよろしいかな? オランの官憲には、一応報告しておかねばなるまいて。 なに、安心せい。ぬしらの穏やかな生活を壊すような余計なことをいうつもりはない。 |
そうぢゃろう? と目でライルに尋ねる。
| ■ライル To:シャッケル>ホラドリック |
|
(苦渋の表情で)…わかりました。 あなたの事は官憲には言わないでおきましょう。 ですが一段落したらまたここに戻ってきますよ。 その時はゆっくり話し合いましょう。 |
| ■ホラドリック To:シャッケル>ALL |
| はい・・・よろしくお願いします。 |
ホラドリックは深々と頭を垂れる
リッキはようやく落ち着きを取り戻すと、シェリアの方を見る。
| ■リッキ To:シェリア |
|
あの…。あたし、リッキだよ。 …ごめんね… …一緒に、これからのこと、考えよ? |
| ■シェリア To:リッキ |
| リッキ・・・?あなたは・・・あなた達は誰?・・・寒い・・・? |
リッキに話しかけられ、呆けた顔がふと真顔に戻る。
そして周囲を見渡し、がくがくと震えだす。
両の腕をぎゅっと抱き締める。
| ■シェリア To:リッキ |
| ・・・寒いの、たすけて・・・ |
リッキは小走りでシェリアに近寄ると、
マントを外してその肩にふわっと掛ける。
| ■リッキ To:シェリア |
|
だいじょぶ? んと、そ〜っと降りてね。 あのね、あたしたちは冒険者で、あなたのこと、助けに来て、 でも助けられなくて…んと… でもね、これから助けるんだよ。 |
言ってるうちに混乱してきたらしく首を傾げるとシャッケルに視線で助けを求める。
| ■シャッケル To:リッキ、シェリア |
| 簡単に言えば、安心するが良い、ということぢゃな。 |
爺ぃは笑いながら言った。
| ■リッキ To:シャッケル&シェリア |
| うん、そうだよ〜! |
シェリアににこっと笑いかける。
| ■シャッケル To:シェリア、ALL |
|
よいか?娘さんや。わしらは皆、ぬしの味方ぢゃよ。 さあ、早く暖かい世界へ戻ろう。 |
| ■シェリア To:シャッケル |
| ? |
わけがわからないながらも、こくりとうなずく
| ■ザン To:シェリア |
|
焦る事はない。 これからゆっくりと、時間をかけていけばいい。 |
| ■ルキシュ To:シェリア |
| 大丈夫☆ 歩いていく先は、いつも光があるから♪ |
| ■ライル To:シェリア>ALL |
|
(穏やかに微笑みながら)オランに帰りましょう。 まずは俺たちの馴染みの店で、あなたの傷付いた心を癒してください。 それからゆっくりとこれからの事を考えましょう。 さあ、行きましょう! |