SW-PBM Scenario #88 | 目次 |
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スカルノ邸 応接室 |
■イグレッタ To:ミランダ |
試作品が出来た時、村ですごい薬が出来たとふれまわった? |
■ミランダ To:イグレッタ |
ま、まさかそんな。自分からふれまわったりなど―――。 |
イグレッタの質問に何故か動揺しはじめる。
■ミランダ To:イグレッタ |
でも、研究所の人間には口止めはしませんでした。 ・・・村中の人が知ってたと思います。 村の土産物屋、宿屋、食事拠・・・そういった所から情報が漏れたかもしれません・・・。 近隣の村までは届いていたかも・・・。 まさかオランにまでは届いていないと思いますけれど・・・現にスカルノ夫人もご存知ではありませんでしたし。 |
自主的にふれまわったわけではないが、試作品の情報はキャロリン村の付近では秘密でもなんでもない事がわかった。
はっきり言って商売人としては少々考えが甘いだろう。
■アンリ To:ALL |
ってことは、ギルドには情報として行っちゃってるよナぁ〜・・・ 犯人、わかるかなぁ〜・・・?だって、儲け話ってことで普通に盗賊が盗んでるかもヨ? |
■ナミキ To:ALL |
まあ、金になりそうだしねぇ。 |
■ランス To:ミランダ |
ん〜・・・ 最近、妙な連中につけまわされてたとか、そういう事は おまへんか? |
■ミランダ To:ランス |
最近・・・ですか?いえ、特には・・・。 誰かの視線を感じたり、見知らぬ方からお手紙をもらったり・・・、そういうのはもう何年もずっとありますけれど、ここ最近で変わった事・・・つけまわされたりですね。 と言うのは無いと思います。 |
■アンリ To:ミランダ |
気がついてないだけだったりして☆ ま、それはいいケド・・・もしも、それが他の痩せたい女性に売られるとしたらどれくらいの値段がつくと思う〜? 売る時の値段じゃなくてサ、いくらくらいで買う人がいると思うかってコト♪ |
■ミランダ To:アンリ |
そう・・・ですね。 お金がある方・・・王侯貴族、大商人・・・などでしたら・・・お金に糸目をつけない方もいらっしゃるでしょうね。 1瓶1万ガメルでも買われる人は少なくないのではないでしょうか。 |
■ナミキ To:ミランダ |
それじゃ盗まれてもしょうがないわね。 これからはもっと管理をしっかりしないと。 研究所の人間にも情報を外にもらさないようにいっておかないと、作成法までバラされちゃうかもよ。 |
■ミランダ To:ナミキ |
そうですね・・・。鍵さえかけておけば平気だと思ってた私が甘かったです。 今後は見張りをつけるなり、なんなりしないと・・・。 |
■アンリ To:ナミキ |
ただの鍵じゃオレでもレインでも開けることができるもんネ〜♪ |
えっ?と驚いた顔のミランダ。アンリはともかく、レインが意外だったらしい。
■ナミキ To:ミランダ |
そうね。 |
■レイン |
(開けようと思えば魔法ででも開けられるけど) |
■ナミキ To:ミランダ |
あと、盗まれたときの日時や状況をもうちょっと詳しく教えてくれない? そもそもどの部屋にどんな感じで保管してあったの? |
■ミランダ To:ナミキ |
1週間ぐらい前の夜に、村の研究所から盗まれました。 研究所は地上1階、地下1階から成っていまして、石造りの建物です。 あ・・・地下部分の壁は土壁ですけれどね。床も。地下は倉庫になっていましたので。 試作品は1階のテーブルの上に置いていました。今思えば、毎日ちゃんと棚に戻すべきだったとは思うのですが―――。 窓は明り取り用に小さいのが2つ。部屋の高い位置にあります。入り口は1つです。錠前がかけてありました。 これは私がかけて、鍵も私しか持っていなかったのですが・・・。 官憲の調べでは、窓の外にも建物の入り口にも不審者の足跡はなかったそうです。 どこから入って、盗んでいったのか私にはわかりません。 |
申し訳なさそうな顔でそう説明した。
■ナミキ To:ミランダ |
ふぅん……。 |
■アンリ To:ミランダ |
その建物の入り口って部屋のじゃなくて建物のなんだよねぇ〜? それじゃ、鍵がかかってても盗賊じゃ一発だよネ〜☆ そうそう、その地下になんか通路があったりとかってしないの?土壁って辺りがめちゃくちゃ怪しそうじゃん♪ |
■ミランダ To:アンリ |
はい、鍵は建物の鍵です。 各部屋の扉には鍵はかけていませんでした。 地下通路・・・なんてものは存在していない筈です。 |
イグレッタは、あれ?っと顎に指をあてて眉根をよせた。
■イグレッタ |
何かしら… (何か気になるような……) |
暫く思い返してから、ああ、と言う表情を浮かべる。
■イグレッタ To:ミランダ |
で、二人組みの犯人を見たって言ってるのは誰? 知り合い?研究員?村の人間? 一人?複数? |
■ミランダ To:イグレッタ |
村の人間です。 数人の人が、目撃しています。 |
■ミランダ To:皆さん |
あの・・・念の為に言っておきますと、薬を取り返して欲しいのは、薬が貴重品だから・・・と言うよりは、誤まった使用法による”事故”を恐れているんです。 これからオランで販売して行く計画なのに、事故など起きてしまっては、売れるものも売れないでしょうから・・・。 ですから、犯人逮捕よりも”薬を取り戻す事”を第一にお願いします。 |
そう言えば、報酬も薬に対してのみ書かれていた。犯人逮捕は二の次らしい。
■ランス To:ミランダ |
まぁ、雇い主さんの言わはる事はよくわかりますよって、わいらも 出来るだけの努力はします。ちなみに、その薬・・・どれくらいで 効果があらわれて、どれくらい効果が持続するんでっか? |
■ミランダ To:ランス |
食前30分前に服用しますと、30分後―――つまり食事時間には効果が現れています。 満腹感はその後5〜6時間持続する事がわかっていますわ。 これは1錠飲んだ場合のケースです。もし、1度に2錠飲んでしまえば、持続時間は倍の12時間ほどになるでしょう。 仮に・・・60錠全部を1度に飲めば、360時間持続する事になります。 この間、全く食事がとれなくなるとしたら・・・どういう事になるか、おわかりになりますよね? |
■ランス To:ミランダ |
薬が置いてあった部屋に、なんか手がかりになるようなものはおまへんか? 犯人がなんか残していってるかもしれへんし・・ |
■ミランダ To:ランス |
そう・・・ですね。 先ほど、建物の入り口や窓の付近に足跡はなかったと言ったのですが、テーブルの付近にはありました。 私は素人なのでよくはわかりませんが、私のものよりは大きいと感じましたわ。 ですから・・・足跡がある以上、犯人は人間だと思います。 |
ミランダはマジメな顔をしてそう言うのだった。
そりゃ幽霊がダイエット薬を盗んだりはしないだろう・・・。
■イグレッタ To:ミランダ |
一応、王侯貴族、大商人やらに、思い当たる人はいないのかしら? キャロリン村の美容法に敏感で、情報に気を配っている人なら、今回の事で何か知っているかもしれないわ その中に深刻に痩せたそうな人がいるなら、なおさら知っておきたいわ |
それを聞き、ミランダの表情が強張る。
■ミランダ To:イグレッタ |
それは・・・私のお客様の中に疑わしい人物がいるか、どうか? ―――つまり、そういう事でしょうか? 残念ながら、思い当たる方はございません。 キャロリン村に来ていただけたお客様は、皆それなりの成果を出し、満足して帰られていますから(にこっ)。 もっとも・・・私が知っているのは、過去に私のお客様になって下さった方達だけですわ。 王侯貴族、大商人・・・社交界と言う事でしたら、この館の主であるスカルノ夫人や、そのご息女のカレン様の方がお詳しいでしょうね。 |
■イグレッタ To:ミランダ |
話しを聞く事はできるかしら? |
■ミランダ To:イグレッタ |
え?誰とですか? 夫人ですか?お嬢様ですか? 夫人なら、そうですね。お話好きの方ですから・・・冒険者の方とお話出来るのを喜ばれるかもしれないですね。 カレン様もとてもお優しい方ですから協力なさって下さると思います。 ただ、今は三角塔で授業をなさってますわ。 |
■イグレッタ To:ミランダ |
それはよかったわ 出来れば、夫人とカレン様お二人に 話しを聞きたいわ 何時頃うかがえばいいかしら? |
■ミランダ To:イグレッタ |
(^^; まだお2人の都合も聞いていませんのでね・・・。 多分、明日にでもお会いになって下さると思いますけれど・・・。 また銀の網へ行かれる事はありますか? あちらのご主人に伝言を頼んでおこうと思うのですけれど・・・。 それとも、また直接こちらに来られますか? お会い出来ない場合は残念ですけれど、私も捜査に進展があれば聞いておきたいですし。 |
■アンリ To:ミランダ |
ってことは、お姉ちゃんの伝言はおやぢさん経由なんだネ♪ んで、オレ達のご報告は直接ここに来れば・・・いいのカナ? |
■ミランダ To:アンリ |
はい、そうして下さい。 私への報告は、銀の網亭より、こちらへ直接来てもらったほうが話が早いですわ。 |
■イグレッタ To:ミランダ |
今日中には逢えないと言う事ね? |
念を押してみる。
■ミランダ To:イグレッタ |
・・・もし、お時間があるならマッサージが終わるまで、お待ちになります? 夫人はその後、入浴して軽食を取る予定だそうですの。 その時で良ければ、お食事をしながらと言う事になりますけれど、お話し出来ると思いますわ。 |
■イグレッタ To:ミランダ |
時間が空くなら、待たせてもらうわ |
待つ気はあるが、堪え性があるか謎である。
■ナミキ To:イグレッタ、ミランダ |
あ、じゃああたしも行ってみよ。 |
■ミランダ To:イグレッタ、ナミキ |
そうですか、ではこちらでお待ち下さい。 夫人には私からお願いしてみますわ。 |
その時、ふいにドアがノックされた。
■メイド To:ミランダ |
お話中、失礼致します。 ミランダ様、奥様がお呼びです。 |
■ミランダ To:メイド |
あ、もうそんな時間だったかしら。 すぐに行くとお伝えして下さい。 |
もうマッサージの時間らしい。
■ミランダ To:皆さん |
申し訳ありませんが、これで失礼致します。 夫人をお待たせする訳にはまいりませんので・・・。 必要な事は全てお伝えしてますよね? では、本当に早い解決を望んでいますので、よろしくお願い致します。 |
すっと立ちあがるとぺこりと頭を下げる。
そしてミランダは立ち去り、イグレッタとナミキを残して、皆はメイドに見送られて屋敷を後にした。
何時の間にか日が頭上高くに昇っていた。
スカルノ邸前 |
■アンリ To:ALL |
んじゃ、オレはギルドに行ってくればいいんだよネ? 何聞いてきて欲しいか教えて〜☆ |
■レイン To:アンリ |
犯人。 |
■アンリ To:レイン |
犯人!!オレも知りたいなぁ〜♪でも、わかんないと思うヨ☆ んじゃ、適当に聞いてくればいいよね〜?適当に聞いてくる〜☆ |
■ランス To:レイン |
んじゃ、わいはそのドランなんとかっていう草の 事を調べてくるわ。こういう事って、確か図書館とかの あたりで調べたらええんやったっけ? |
■レイン To:ランス |
今から行く? |
■ランス To:レイン |
『善は急』っていうしな。ほな行こか・・・ |
■ヴィトリス To:ALL |
そんじゃ、僕はマーファ神殿でもいってみますね。 |
こうしてそれぞれ調査へと向かう。果たして誰がどんな成果を持ち帰るのか・・・。
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