老人は急に足を止めます。

　そこには３ｍ近いブロードソードやら、２ｍ近いショートソード、３ｍを越すフランベルジュなど数々の剣が並べてあった。
　セージとしての知識欲が触発されたのか。クレフ、しばし呆然と見る。

　どれがよいかと、探し出す。

　アシストにつっつかれるラウル。
　あまりの物珍しさに、きょろきょろとしていたようだ。

　手分けして探しはじめる一行。
　イルミナはゆっくりと武器を見るも‥‥どうしても自分好みのほっそりとした剣に目がいってしまう。また、来る途中の工程を思い出してしまい、小さ目の楯ばかりを選んでしまう。
　その隣で商人たるアルティアは。看板は店の命！とばかりに、高そうでかつ高級そうな武器を探すも‥‥‥

　と、この剣を使って料理を行えば美味しそうだとか‥‥どうも違った見方をしてしまっているようだ。
　ラウルとイオスをせっつくアシストも。ど〜もせっつく方に集中力がいってしまい、自分ではあまりめぼしい物を見つける事はできなかった。
　そしてクレフといえば‥‥

　あの武器はイルミナに似合うかな〜とか。あの楯は軽そうだな〜とか。ちょっぴり目的から外れた見方をしてしまっているようである。

　さて‥‥結局どの武器を選んだか？というと。
　屈強の戦士たるラウルが、条件にこれ以上はないぐらいぴったりとした剣を見つけた。
　装飾されているので剣の部分が普通のものよりも薄めに作られており、そのせいで全体の重量は大きさに対してはだいぶ軽く作られている。
　持ち運びに気を付けさえすれば、とても良い看板になるであろう。
　一方楯のほうは、イオスがほどほどの大きさの物を見つけてきた。
　こちらはラウルの見つけてきた剣に比べてはパッとはしないが。それでも十分存在感のある楯である

　冒険者達は。なんとか目的の物を手に入れることに成功した。

　流石にじーさん一人では槍を運べないので。置く場所まで冒険者に運んでもらうつもりらしぃ。

　剣の方は持ってきた槍とさほど変わらぬ重さのようだ。
　大きさの比較をすれば判るが、だいぶ軽めの剣である。
　楯のほうは‥‥ラウルやアシストが頑張って持ち上げれば一人で持ち上げれる事もない‥‥といった重さであり、なんとか荷台に積み込むのは可能だろう。

　と、老人は自分が寝泊まりしている部屋を指します。
　好意とかではなく、本当に新しい武器の近くで眠りたい‥‥という風な雰囲気がびしばしと伝わってくるので、気兼ねはしなくても大丈夫でしょう。

　羊皮紙とペンを取り出しラグルに手渡したイルミナ。
　　ラグルはその羊皮紙に、すらすらと署名をする。

　一行は寝る準備をし、そのままぐっすり夢の中……。