| SW-PBM Scenario #61B | 目次 |
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| オランへの街道 |
翌日昼頃、村を出て下山を開始した。
街道では馬車が待っていて、ゆっくりと戻ることができた。
馬車は貸切りで、それぞれが疲れた体を思い思いに休めている。
ヴィクトールは、疲労からかぐっすりと眠りこけているものの賢者の学院に渡す剣はしっかり抱えている。アスタルテも、その隣で大口を開けて死んだように眠っている。
思い出したように、ソフィティアが隣のアフルとカナルに話しかける。
| ■ソフィティア To:アフル&カナル |
| 二人は今回のスポンスサーの知り合いなんでしょ?交渉は二人に任せて良いかしら? |
| ■アフル To: ソフィティア |
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うーん、ローンドファルさんって、俺、苦手なんだよね(^^;; 前も怒らせちゃったし。 |
| ■カナル To:ソフィティア |
| 構わんが、金を払うのは、おそらくローンドファルじゃないぞ。 |
| ■ソフィティア To:カナル |
| 誰が払ってくれたって文句は言わないわよ(^^)。それじゃぁ、アフルはああ言ってるしカナルに頼もうかな? |
| 貴族の館 |
オランに着いた早々、冒険者達は貴族に呼び出され、当主より報酬を受け取った。袋の中には 4000 ガメルある。
| ■当主(エヴァンス) To: ALL |
| 今回の働き、誠にご苦労であった。苦しゅうないぞ。受け取るが良い。 |
| ■カナル To:(馬鹿)兄 |
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ありがたく頂戴いたします。 エヴァンス様、ご立派になられましたな。 先代も、さぞかしご安心なされていることと思われます。 |
| ■エヴァンス To: カナル |
| うむ。まぁ何とかやっておる。うるさい目付けもおるしな。 |
エヴァンスは側に控えるローンドファルを見やる。ローンドファルは苦笑いしている。
| ■エヴァンス To: ALL |
| その方らも元気そうで何より。ダークエルフを蹴散らすとは天晴れよ。 |
| ■アフル To: エヴァンス |
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ありがとうございます。 何とか最悪の事態は回避することができました。 |
| ■エヴァンス To: アフル |
| うむ。念の為しばらくは要注意警戒地域として哨戒を行うことになった。以降の事は安心して公に任せるがよい。 |
| ■カナル To:(馬鹿)兄 |
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エヴァンス様、一つお聞きしたいのですが……。 カレブ殿の申し出を受け、今回の件を引き受けて下さったこと、非常に感謝しております。 さらに、今後の気遣いまで。 しかし、いかなシャレゼール家と言えども、全く見返りもなくそれだけのことをしていただけるのでしょうか? |
| ■エヴァンス To: カナル |
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うむ。当シャレゼール家はオラン王国に仕える貴族であるからな。国を守るべく働くのは当然のことである。 急を知らせた商人めが、この目付けと面識があったという縁で、たまたま当家が最初に動いたというまでよ。 その者、何と言ったかな? |
| ■ローンドファル To: エヴァンス |
| カレブにございます。 |
| ■エヴァンス To: カナル |
| うむ。その者が到着した場に居合わせた若い者が先発隊を志願したので先に行かせたのは私の判断だがな。 |
ちょっと自慢するように顔を反らせる。ローンドファルが渋々という風に相槌を入れる。
| ■ローンドファル To: エヴァンス |
| ご英断でございます。 |
苦労しているらしい。
| ■ローンドファル To: ALL |
| して、今回の騒動の原因は何であったのだ?皆は何か知らぬか? |
| ■ソフィティア To:ローンドファル |
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このパーティーのリーダー、ソフィティアです。私からご説明させていただきます。 バル・ファリス村に「ファリス様」として代々奉られている剣、あえて魔剣と言わせていただきます、の噂がダークエルフの耳に入ったらしく魔剣を狙って襲われた。と、いうのが大体の成り行きです。魔剣の魔力が一体どういったものかはまだしっかり解っておりませんが、バルファリス村の方々の話では大抵の者は結果的に持っただけで魂を破滅させられるようです。ダークエルフはこのことを知らなかったようです。 以上でよろしいでしょうか? |
| ■ローンドファル To: ソフィティア |
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なるほど……。よもやそんな魔剣がオランの近くにあったとは、ついぞ知らなかった。危険な大役ご苦労であるが、賢者の学院へ封印するまでは面倒を頼めようか?ソフィティア殿。 封印についてはこちらからも話を通しておこう。 それでよろしゅうございますな、閣下。 |
| ■エヴァンス To: ローンドファル |
| うむ。よきにはからえ。 |
| ■ソフィティア To:エヴァンス&ローンドファル |
| お任せ下さい。 |
| ■エヴァンス To: ソフィティア、ALL |
| うむ。では、もう下がってよいぞ。苦しゅうない。 |
| 賢者の学院 |
一行は貴族の館を後にして賢者の学院に向かった。
学院の導師の鑑定では、確かに魔力が宿っていることが確認された。カナルの師匠の協力もあり、魔剣は無事に学院に封印される運びとなった。
また、ダークエルフから没収して密かに持ち込んだ、魔晶石の付いた杖は、学院が買い取った。これらは雑貨屋に売った他の道具類合わせて、全部で 1000 ガメルとなった。
一行は、魔剣が無事に封印されたことを見届けて、銀の網亭に帰還した。
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