部屋を出ていったマート。しばらくして、執事服ではなく、ごく普通の平服に着替えてやってきた。
　買いだしにいくのに、着替えてきたのだろうか？

　と、ふかふかのソファーを堪能するスレイ。その横で、やはりふかふかのソファーの手触りを楽しむリグ。
　ティトルはスレイ氏ほか残る皆様に手を振ってお出かけだ♪

　連れていかれた玄関先。
　先ほどオランから乗ってきた馬車ではないが、そこそこに小綺麗な馬車である。

　昼間、頭をぶつけたのがちょっと恥ずかしいらしく、照れていたり。

　にっこりと微笑んだ後御者台に乗り込むマート。馬車は静かに走り出す。

　移動中暇なのか、マートをまじまじと見つめながら。

　だいぶ素の反応っぽい。

　執事の格好の方だと、やっぱり緊張するらしい…

　30分ぐらい走ったであろうか？
　馬車は雑貨屋らしき店先の前に停車した。

　つぃ‥‥と手を伸ばし、軽くエスコート（ぉぃ）。

　慣れないのでやっぱり緊張(笑)。カチンコチンなティトルの出来上がり(笑)。

　遠慮がちなマートの声に引き出されたのはああ、小さな老婆。
　聞き取りにくい声で、ぼそぼそと応答される。

　夜遅くにきた男女を見比べての発言か？

　あっさり否定するし(^^;。

　あっさりとでは味気ないと思ったのか。ティトルにそう話を振るマート。

　さらに慣れないことに驚いて、ぶんぶんぶん！と勢いよく首を振るティトル。

　と、自分の目的を話すが、その動揺は隠せず(笑)。

　と、店主は薄暗い店の奥へと消えた。

　と、至極真面目に答える。

　何故か納得したり(笑)。
　納得したところで、店主登場。

　と寝袋二つに小袋複数、ロープにランタン、油が少々‥‥と、注文したものを持ってくる。

　見ると色こそ違えど、確かにマートが手にした手鏡と対になっている手鏡がある。

　あまり深く考えてないな、やっぱり(笑)。

　にっこり笑みを浮かべ、馬車の扉を開ける。
　ティトルが乗り込んだのを確認し、荷物を積み込むと、馬車はまたゆっくりと走り出した。

　屋敷に帰ってきた二人。
　マートは主の元へゆき、前金として一人200ガメルずつ。合計1,200ガメルの入った革袋を貰って、カナルの所にやってきた。

　中身を確認し、うなずくカナル。
　これで依頼成立だ。

　明日からは。彼らはまた冒険者となる。
　しかし、今だけ。今晩だけは‥‥。
　手触りのよいベットにて。夢の世界へと彼らは旅立つ。