「失敗には達人というものがない。
人は誰でも失敗の前には凡人だ」(プーシキン)
| 劇場 舞台 |
イルミナの言葉に、エレックの表情が曇る。
| ■ エレック To:イルミナ |
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あくまでも、次の公演が終わるまで護ってもらえればそれでいい。 そういうことならば、そのペンダントは返してもらいたいな。 余計な詮索は御免こうむりたい。 |
| ■ ジーク To:エレック |
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今年の頭くらいになにかありませんでしたか? 例えば誰かが貴方の部屋から出てくるところをみたとか、公演中や練習中にペンダントを誰かに見られたとか。 |
| ■ エレック To:ジーク |
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さっきも言ったが、ペンダントが見られたことは、おそらく無いはずだ。 今年の頭といえば……前回の公演がかなりあたって、私の名前が少しは有名になったころかな。 |
| ■ ジーク To:エレック |
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そうですか(^^ かなりの人が見に来られたんですね。 |
| ■ エレック To:ジーク |
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ああ。 「レイリントンの絆」ってやつで、もとから客受けの良い演目だしな。 俺が初めてソロのシーンを任された記念作なんだ。 |
| ■ ジーク To:エレック |
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あ、「レイリントンの絆」の話は聞いたことあります(^^ かなり大ヒットだったようで。 残念ながら私はみれませんでしたけど(/_;) |
| ■ ジーク To:リュセラ |
| ・・・・・駄目でした(^^; |
ジーク、リュセラと順順にペンダントがまわされるが、リュセラはそのペンダントが見かけよりも不自然に軽いことに気が付いた。
音がしないか、ペンダントを振ってみたりするリュセラ。
| ■ リュセラ To:エレック |
| これ、中に何か入ってる? |
| ■ エレック To:リュセラ |
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いや、そんなことは知らないが……。 開くのかい? |
| ■ リュセラ To:ALL |
| ちょっと試してみる。 |
ペンダントを手で包み持って、微妙な力加減で回してみる。。
| ■ リュセラ |
| これは……、ふぅーん。 |
時々、ポーチから道具を出したりして挑戦する……。
……あれ? おいおい、いま、ペンダントから何かでて来なかったか?
おいおい! 何をこっそり隠してるんだよ!?
| ■ リュセラ To:ALL |
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ん〜。 別に何も入って無いみたい。 |
そう言って、開いたペンダントを見せる。
…………恐ろしい女だ。
| ■ 刺客 To:リュセラ |
| ……ふ〜ん(にやにや) |
…………こっちもね。
| ■ エレック To:リュセラ |
| そうか、ならば、ペンダントはもう返して貰って良いかな? |
| ■ リュセラ To:エレック |
| ええ、どうぞ。 |
ペンダントを閉じて、エレックに返した。
| ■ リュセラ To:刺客 |
| そういえば、このペンダントが偽物だとかは考えたりしなかった?命令は、「エレックが身につけてる」ペンダントを奪え、だったの? |
| ■ 刺客 To:リュセラ |
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依頼は、エレックが持っているはずのアザミの紋章がついたペンダントの奪取ね。 何度かエレックがそんなペンダントをしてるのが見えたからね。 それに、そのペンダント、盗まれることを警戒して偽物でも用意してたって言うの? |
| ■ ジーク To:刺客 |
| まあ、そうですね(^^ゞ |
| 劇場 倉庫 |
団員達と共に劇場を探すと、大道具をしまっておく倉庫から、縛り上げられた劇団員が発見された。
| ■ アシスト To:団員D |
| おねーさん大丈夫? 怪我とかしてない? |
縄を解きながら、優しく尋ねるアシスト。
受けてきた教育が良かったんだね。
一方、慎重な冒険者は、
| ■ アップル To:ライストン |
| ライストンさん。この方は、この劇団の方ですよね? |
| ■ ライストン To:アップル |
| ああ、間違いない。 |
確認を怠らない(笑
しかし、ライストンの目だけで十分であるかはかなり謎ではあるが。
| ■ 団員D To:アシスト |
| あ、ありがとう! 私、私……。 |
緊張の糸が切れたのか、アシストに抱きつくと、泣き出してしまった。
| ■ アシスト To:団員D |
| うわわっ。お、おねーさん? |
突然の出来事に、うろたえまくるアシスト。
| ■ アシスト |
| えと……あの、その(''=;) |
| ■ アップル To:団員D |
|
もう大丈夫ですからね^_^ 怪我とかをされていたら申し出てくださいね。治癒しますので^_^ エレックさんも無事で、犯人も捕まりましたので、安心してくださいね。^_^ |
神官らしく、相手を安心させるために笑顔をふりまくアップル。
サニティの方が早くないか?(笑)
| ■ 団員D To:アップル |
|
あ、ありがとうございます。 ……大丈夫です。 |
結果は上々だったらしい。
| ■ アシストの内的葛藤 |
| ええと、うんとその……こーゆー時ってどうしたらいいんだっけ\(’’;)(;‘‘)/ |
抱き付かれたままの少年は未だ固まってたりする。
こんなんじゃ、リュセラの相手は出来ないぞ。
| ■ ライストン To:団員D |
| ふう、結果的には、全員無事だったようだな。 |
| ■ アップル To:ライストン&おーる |
| そうですね。それが何よりでしたね^_^ |
にっこりと笑いかけてから、ふと、冒険者の顔になって
| ■ アップル To:ライストン&おーる |
| ライストンさん。このような・・・ものすごく直接的な事件って今回が初めてですか? |
| ■ ライストン To:アップル |
|
ああ。 私も驚いているよ。 |
ライストンの返事を受け、団員Dの方に向き直り、
| ■ アップル To:団員D |
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事件の直後なんで、本当に申し訳ないんですけど・・・・ 今回の・・その、貴方がここに連れてこられてしまったときの状況を、お話ししていてだけませんか? もちろん、お話しできる範囲で結構ですので・・・・ |
| ■ 団員D To:アップル |
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え、ええ。 私、私……いきなり……。 |
襲われたときの状況を思い出したのか、言葉を詰まらせる。
パニックに陥りそうになるところを、アップルの呪文で平静さを取り戻させながら話を聞く。
そして、何とか語り終えたことには、いつものように練習に向かう途中、普段は使われていない空き部屋から、ちょっと手伝ってくれと自分の名前を呼ばれ、入っていくと見ず知らずの女が居たらしい。
いきなり殴られ、気がつくとこの状態だったと言うことだった。
| ■ 団員D To:アップル |
| 済みません、だから、私、何も分からないの。 |
| ■ アップル To:団員D&ライストン |
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ううん、いいんですよ。悪いのは犯人ですしね。 とりあえず、みなさん無事で何よりでしたね。 団員のみなさんには、これからも気をつけてもらうってことで・・ 犯人は捕まりましたので、過度の注意は必要ないと思いますけど。 |
希望的観測を通り越してお気楽すぎる意見だと言うことは理解していたが、相手を落ち着かせる方が優先と考えたらしい。
| ■ アップル To:おーる |
|
じゃあ、みなさんのところに戻りましょうか。 ・・もしよろしければ、部屋かどこかまでお送りしますよ。 |
団員を優しく起こしながら、アップルが尋ねた。
結局、部屋まで送り届けてから、アシストとアップルは舞台へと戻った。
| 劇場 舞台 |
その頃、舞台上では。
| ■ リュセラ To:刺客 |
| そうそう。この手帳、あなたのでしょ。 |
そう言って、以前、天井裏で拾った手帳を出して見せる。
| ■ 刺客 To:リュセラ |
| 何それ? |
| ■ エレック To:リュセラ |
| おや、それは……ちょっと見せてくれないか? |
| ■ リュセラ To:エレック |
| これについて、何か知ってるの? |
| ■ エレック To:おおる |
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これは、確かムートとか言う書き売りの手帳じゃないかな。 この薄汚れた手帳と汚い文字には見覚えがあるよ。 |
| ■ リュセラ To:エレック |
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ムート? (知らない名前だけど、問題の小男の事よね) |
| ■ エレック To:おおる |
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私のことをコソコソとかぎまわってるダニみたいな奴だよ。 人の醜聞を売って儲けてる寄生虫みたいな奴さ。 |
| ■ ジーク To:エレック |
| 有名税とは言えたいへんですねぇ(^^; |
| ■ リュセラ |
| (書き売りなら、捜しやすいかも知れないな) |
| ■ リュセラ To:ALL |
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それで、こいつ(刺客)はどうする? 謝罪も無ければ反省の色も見えない性悪女だけど、私の勘だとまだ何か隠してそうなのよね。 |
| ■ ジーク To:リュセラ |
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どうしましょうかねぇ(^^; 少し可哀相ですが、官憲に突き出すのが一番いいですかねぇ? |
| ■ リュセラ To:ジーク |
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うーん。 同情の余地は無いし、3000ガメルの為ならね。 |
| ■ ジーク To:リュセラ |
| そうですね・・・でもすこし可哀相な気もしますねぇ・・・ |
| ■ イルミナ To:ALL&刺客 |
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あっ、ちょっといい? 一つ聞きたいんですが...あなた定期的に連絡とかいれているのかしら? それとも依頼が成功してはじめて報告に行くの? |
| ■ 刺客 To:イルミナ |
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一応、一任されてるからね。 さすがに、ずっとつなぎを入れなきゃ怪しむだろうけど。 ねえ、あたし、どうなっちゃうのかな? |
| ■ リュセラ To:刺客 |
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正義と法の元だと、手か首がおさらばよね。 失敗しておいて、手ぶらで帰れる程甘い仕事でも無いだろうし……。 あ、一任って事なら、落し前は独りの犠牲だけで済むと思う。 |
他人事である。
| ■ リュセラ To:刺客 |
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何か貴方の未来が明るく幸せになる案があればいいんだけど。 貴方の幸せは私の幸せ。 私の幸せは貴方の幸せ。 そんな気分だし、今。 |
| ■ イルミナ To:刺客 |
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とりあえず、あなたをこのまま解放するというわけには行きません かといって、暗殺者として官憲に突き出すというのも...なんですし... ...えっと、一応ライストンさんに許可を頂かないといけませんけど、あなたを窃盗容疑か何かで官憲に引き渡したいと思います。それならまず命の保証はされるでしょう。多少の罰は受けてきてください、未遂に終わった仕事とはいえ殺人を犯そうとしたのですからね 開放された後、再び私たちの前に現れるようなことがあればそのときは容赦しません。 そのことを十分に肝に銘じておいてください。 ...いいですか?一応ほかに言いたいことがあれば聞きますが... これでも譲歩したつもりです。あなたの命は保証したようなものですからね。 隠していることがあれば正直に言ってほしいものね。無ければいいんですけど... |
| ■ 刺客 To:イルミナ |
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ふーん、なるほどね。 見逃して貰えるようなら、こっちももう何もないわ。 ……そうねぇ。隠してることはもう何もないけど、助けてくれるお礼に、そっちのお嬢ちゃんの手癖のことは、聞かれても黙っておいてあげるわ。 |
| ■ ジーク |
| ・・・・・なにかやったんですね(^^; |
リュセラの方をちらっと見るが、リュセラは知らんぷり。
| ■ イルミナ To:ALL |
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それでは、ライストンさんをお呼びして事情等を説明しましょう エレックさんもそれでいいかしら? |
| ■ エレック To:イルミナ |
| ああ、構わないよ。 |
心なしか、ホッとしたように見えるエレック。
刺客の処遇は、ライストンとの話し合いで、騒ぎを大きくしたくないと言う思惑もあり、冒険者の意向を取り入れて窃盗と言うことで官憲に突き出すことになった。