| 途中の村 |
オランを立ってから二日目の朝、馬車は駐在所のあるという小さな村に到着した。
しかし、人通りはほとんどない。単に朝早くに到着したためだろうか。
| ■エルシア |
| 随分、早い時間についちゃったわねぇ |
エルシアはあたりを見回す。
畑仕事に出掛ける人くらいいてもいいはずなのに、何故かそれらしき人間も見当たらなかった。
| ■アトール To:ALL |
|
よし。とりあえず、駐在所に直行して話を聞いてみようぜ。 小さな村みたいだし、駐在所を探すのにそんなに手間取ることはないだろう。 |
| ■バーン To:アトール、ALL |
|
ええ、そうしましょう。 …あ、あそこじゃないですか? |
まわりの家より一回り大きく、頑丈そうな建物が見える。冒険者達が見ていると、中から少年がでてきた。
バーンは足早に歩み寄り、少年に語りかける。
あくまで慇懃に。
| ■バーン To:少年 |
| 失礼。我々は旅の冒険者ですが、駐在所に用事があって探しています。この建物は駐在所ですか? |
| ■少年 To:バーン |
| ……うん。 |
少年は小さくうなずくと建物の中の人物に声をかける。
| ■少年 To:? |
| おにぃちゃん、お客さんだよ。 |
| ■? To:少年 |
| 客?誰だ? |
中から声がすると同時に、まだ若い青年が出てきた。身なりからすると彼が駐在員らしい。
彼は冒険者達の顔を見て少し考えたあと話しかけてきた。
| ■駐在員 To:ALL |
| もしかして……あなたたちは賞金稼ぎに来たのですか? |
| ■アトール To:駐在員 |
|
お、話が早いじゃん。 その通り・・・というか正確には、賞金稼ぎは本当の目的じゃなくて、賞金稼ぎのアジトに用があるんだけどな。 |
| ■バーン To:駐在員 |
| 補足しますが、俺達は賞金首の仲間ではないのでご安心下さい。 |
| ■駐在員 To:バーン |
| いや、大丈夫です。 |
アトールは地図を広げて、駐在員に見せて話を続ける。
| ■アトール To:駐在員 |
|
オランでこの地図を貰ってここまで馬車で来たんだが、アジトの詳しい情報がよく判らないんだ。 ここの駐在所に寄れば、何か情報をもらえるかと思ってきたんだけど? この地図だと、馬車であと半日ぐらいのところに印が打ってあるんだが・・・ |
| ■駐在員 To:アトール |
| この地図の情報で間違いないですよ。ただ、巧妙にカモフラージュされていたそうですから、近づいたら注意深く探した方がいいでしょうね。 |
| ■アトール To:駐在員 |
|
ありゃ、やっぱりカモフラージュされているんだ。 ま、当然と言えば当然だけどな(^^; |
| ■バーン To:駐在員 |
| そうだ、ついでに賞金首の話もお聞かせ願えませんか? |
| ■駐在員 To:バーン |
| 漠然と賞金首の話と言われましても……黒き森の猟犬と呼ばれる4人組で、油断をついて相手を襲い、殺人もいとわないとかですか。具体的にどのようなことが知りたいのでしょうか。 |
| ■バーン To:駐在員 |
|
そうですね…具体的には『彼等がどのような手順で強盗をするか』ということと、彼等が使うといわれている『魔法の種類』がどんなものであるか、それを『何人』が使っているかということですね。 あとこちらからお聞きしたいのは、先程あなたが仰った相手の油断をつくという件です。 こちらを油断させるため、彼等は何かしらのアクションを起こす、ということですか? |
| ■駐在員 To:バーン |
|
手順とか、決まった方法というのは無いようですよ。相手の人数や様子を見ながら、一番確実そうなやり方を選んでいるようです。なにかして油断させる、させないもそのとき次第ということですね。 魔法については光だか炎だかの矢が飛んできたとか、話が混乱していてちょっと……ただ、3人が魔法を使うとは聞いています。 |
| ■バーン To:駐在員 |
| なるほど…。 |
| ■ホルト To:駐在さん |
|
どうも、早くからご苦労様です。私はホルト・オレーフと言います。 何点かお尋ねしたいことがあるのですがよろしいでしょうか。 1.オランで件の小屋から最寄りの駐在所がここだと聞いたのですが、同時にここが小屋に一番近い村ということですか? 差し支えなければ、答えられることから順に、ゆっくりとで構いませんからお教え願います。 |
| ■駐在員 To:ホルト |
| この先、森まで村はありませんよ。ここの駐在員は私一人です。まぁ、彼に馬の世話など手伝ってもらってはいますがね。 |
駐在員はそういって、先ほどの少年を示す。
| ■駐在員 To:ホルト |
| ここに賊の情報を求めて来たのはあなた達が初めてですが、ここによらずに直接森に向かっていれば私にはわかりませんが。 |
| ■アトール To:ALL |
|
うーん、やっぱり俺らだけなのかな?(^^; オランの詰め所の事を思い出すと、奨金首を取りに行く奴がそれほどいたようには見えなかったしな。 おまけに、相手が凄い奴のわりに、賞金がイマイチな気もするし(笑) |
| ■バーン To:アトール |
| ええ。確かに… |
| ■エルシア |
|
噂が先行しているだけで、実はそんなにたいしたことない連中のかもしれないわね それだと楽ができていいんだけどなぁ |
| ■駐在員 To:ホルト |
| 賊のいる森は獲物になるような動物はほとんど見かけないもので、狩人達もほとんど立ち寄らないですね。ですから、小屋について詳しく知っているものはいないと思います。小屋の情報提供者も直接オランの詰め所に行ったらしいですしね。 |
| ■ホルト To:駐在さん |
|
そうですか…ありがとうございました。 では、お世話になりついでにほんのしばらくの間荷馬車を預かってくれそうなところ知りませんかね。 |
| ■バーン To:駐在員 |
| 加えて言うなら、できるだけ相手の小屋に近いところが望ましいのですが。 |
| ■駐在員 To:ホルト&バーン |
|
道端に繋いで、ということならこの先にいくらでも場所はあると思いますけど・・・・。 2,3日でよければここにおいていってもらってもかまいませんよ。 |
| ■アトール To:ALL |
|
飼い葉代まで(^^; うーむ、なかなかしっかりしてるというか、せこいというか(^^;;; |
| ■駐在員 To:アトール |
| この御時勢、なかなかいろいろと大変なんですよ(^^; |
| ■バーン To:ホルト |
|
ここなら保管に関して安全でしょうが、少し遠いですね。 遠くなればそれだけ時間的制約が厳しくなりますが…。 ホルトさん、何か良いアイデアはありませんか? |
| ■ホルト To:ALL |
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…ふむ…なら前言を翻す様ですが、可能な限り荷馬車で進みますかね。 その後適当な場所に伏せておく、としましょうか。 どうやら森には連中の他は特に注意すべき危険はないみたいです。 であれば人目につかない様に荷馬車を隠すことが出来ればそれで十分安全は確保できると思えます。 当然ながら獣道さえろくに通ってないであろう森に馬車を乗り入れる訳にはいかないでしょうから馬車を使えるのはどの道街道までですし、すぐに小屋を見付けられるとも限らない以上、時間を短縮できるところはしておいた方が良いとみました。 敢えて問題をあげれば、荷馬車を伏せておける場所のことですが、そこまで心配してもはじまらないでしょう。 アイデアと言う程のものではありませんが、これでいかがです? 駐在さん、この辺、人間以外の危険な生き物は滅多に出ませんよね? |
| ■駐在員 To:ホルト |
|
狼とかの噂は聞いたことはないですね。 ですが山に近いことですし、もしかしたらということもあるかもしれません。 |
| ■バーン To:駐在員、ALL |
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了解しました。充分注意することにしましょう。 (パーティーの面々を見返り) 他に何か聞いておきたいことはありませんか?なければこれで御暇しましょう。今は時がなによりも貴重です。 (駐在員に向き直り) ご助言ありがとうございました。参考にさせていただきます。それではこれで。 |
| ■アトール To:ALL |
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こんなところかな。 とりあえず、ここからまだ距離があるようだし、先を急ぐことにしようか。 |
| ■ホルト To:駐在さん |
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どうもありがとうございました。 あ、そうだ、最後に一つだけ。 どうして連中が‘黒き森の猟犬’って呼ばれてるのか、ご存じないです? |
| ■駐在員 To:ホルト |
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いえ、名前の由来までは聞いたことありません。 連中が名乗ったのか、オランの官憲が名前をつけたのかどちらかだとは思いますけど。 |
| ■エルシア |
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世の中にはハッタリって物が必要だからね (そういって肩をすくめる) まぁ、希望的観測にすぎないけれどね |
| ■ホルト To:エルシア、駐在さん |
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…(苦笑) 決して甘く見て良い連中でないのは確ですが、もしかしたら我々は恐れの余り、必要以上に連中を大きく見ているのかもしれませんね… 我々には慎重にならざるを得ない事情もありますし、無理からぬことですが… 慎重なのは必ずしも悪いことではありませんが、恐怖は時に判断を誤らせますから… 心にとめておきます。 お世話になりました。では。 |
| ■駐在員 To:ALL |
| がんばってください。朗報を期待していますよ。 |
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