フェリオの傷が治ってしばらくした後、

回りを見まわし、アルスが木の下に居るのを確認すると近付いた。

右手を見せてくれた。
怪我は軽い打撲である。

内心驚きながら傷の確認をする。

名も無き生命の精霊の力を借りて、アルスの治療を済ませるヴェア。

アルトと別れたフェリオが、話に加わって来る。

フェリオの声に振り返るヴェア。

予想と違ったいたという反応。
また、魔法で元気になったフェリオを見て、

と声を掛けてくる。

ヴェアが、ちょっと面白くなさそうに口を挟んだ。

ヴェアにフォローを入れてから、フェリオはアルスに応えた。

アルスはなぜフェリオがなれない武器を選択したのか不思議そうであった。

と、ここでずれかけた話をまたヴェアがもとに戻す。

アルスはセレンを見て、

ヴェアは、何も言わないセレンに時折視線を向けつつ、

アルスは少し黙った後、

重い口調で聞く。
セレンは、そう言われて、

そう答えると、砦本館に戻ってゆく。

擦れ違いざま、

という涙声の呟きがフェリオの耳に届いた。

セレンが立ち去った後。

話を切り出すアルス。

独り言の様に白状するアルス。

ヴェアは軽いめまいを覚えながら、

安堵の息をつく。

アルスの手に目をやる。

不安げに自分の首筋を手で押さえるヴェア。

その晩の事を話すアルス。

アルスが部屋に戻ると、誰かの置き手紙があった。
文面は、"今晩８時、階段の下でお待ちしています。" というもの。

指定の時間に指定の場所のアルスが行くと、そこに居たのはコレット。
そこで彼女と会話をして、つい頭に血が昇ったアルスはコレットに手を出したと言う。

一度部屋に戻って落ちついた後、現場に戻ろうとしたが、玄関ホールを上から伺うとマーベリック夫妻の姿が見えたので部屋に引き返したと言う。

頷くアルス。

少し自嘲気味にそうつぶやく。

言葉を途中で切る。

少し考えた後、

詩か伝承の一部分らしい台詞を出す。

アルスはそう言うと立ち上がった。

アルスは、離れの塔へと歩いて行った。

アルスとの会話後、ヴェアは植え込みに近付いて精霊力を調べる。
回りの土や樹木にも注意したが、異変は感じられなかった。

それが終わると、ヴェアは白ユリ亭へと向かった。

さて、フェリオとアルスの試合が無事終わってどたばたも一段落した頃。

アルトとジークはレイアのいる塔へ移動。
扉をノックしてみると試合を見終わって戻っているフォンしか居なかった。 レイアの行き先を尋ねてみると、厩舎に行ってるんじゃないかと答えが返ってきた。

レイアは厩舎内の掃除に精を出していた。
と、厩舎に入ってきたアルトとジークに気がついた。

長女の名前は覚えていないが、婦人の名前はフェイアだったという事。 貴族等の墓はこの砦から歩いて5分程の森の中にあるという事。 それらを聞けます。

墓場と聞いて昨夜のことをふと思い出したので聞いてみるジーク。

焦りつつ雇い主にフォローを入れるアルト。

レイアはちょっと苦笑しただけで何も言わなかった。

例を言って立ち去ろうとした二人を呼び止めるレイア。

聞くことも尽きた二人はレイアに礼を言って厩舎を後にした。