エデンとエレボスが出掛けた後。

二人は今晩取った部屋に向かう。
が、少し歩いて立ち止まるヴェア。

振り向いて、釘を刺す。

それを聞いて、ヴェアとアルトは 2階の泊まり部屋へと上がって行った。

…少し間を開け、フェリオが足を忍ばせて後を追う。

暖かく見守る、銀の網亭の奥さん。

既に階段を上ったフェリオを、ジークは見失っていた…。

女部屋。
エデンは散歩中。

ヴェアは、仕上がって来た服を広げて見せた。

帽子を被り、肩に服を合わせる。

どう答えようかと、暫し悩むアルト。

――ふと、扉の外に不埒者が訪れた気配に気付く。

(↓フェリオ)
コソコソ……コソコソコソ………（。 。）

扉に近付き、一気に扉を引き開ける。

扉の外に居たフェリオに、に〜っこりと微笑む。

引きつった笑いを浮かべるフェリオ。

叫ぴ、脱兎のごとく逃げ出す。

ヴェアは光の精霊を呼び出すと、フェリオに投げ付けた。

本気の怒りを受け、痛い思いをする。

そんなフェリオを、遠い目で眺めるアルト。

"眠りの雲"の呪文が紡がれる。

慌てて階段を下る途中で、フェリオの意識は遠くなった。
勢いはそのままで転げ落ちてゆく…。

ガン ゴンッ _ドカッ バキッ^ゴロ ゴロ_ゴロ ゴロ _ゴロゴロ_ゴロ ゴロ……ドカ… _{バタッ……}

店の床をよろよろと這い、下に居たジークに助けを求める。

散歩から戻って来たエデンも加わり、フェリオを見下ろす。

2階からアルトとヴェアも下りて来る。

フェリオの監視をジークに念押しする。

目が怖い。

ヴェアはフェリオを涙目で睨み付け、

糾弾して、へなへなと崩れ落ちる。

ヴェアを立たせ、アルトは一緒に部屋に戻る。

その様子を見て、

去り行くヴェアの背中に向かって語るフェリオ。

エデンも少し間を置いて部屋に向かった。

少し笑って、軽くヴェアの肩を叩く。

首を傾げるヴェア。

さり気なく話題を変える。

ヴェアは先程の光景を思い返すと、怒りも忘れて目線を逸らした。

真っ赤にした顔を下に向け、指をもて遊ぶ。

部屋に戻ったエデンの前で落ち着く、二人の会話。

3人は明日に備え、ベッドで横になった。

足を少し遠くにのばし、ラーダ神殿を訪れるエレボス。

人気の途絶えた夜である。
神殿の敷地に入ると、見張りの者が居た。

姿を表したのは顔見知り――義理の妹、エリィ(人間)の旦那であるオーシスであった。

微笑みながら言う。

見張りも兼ねて、オーシスは神殿の入り口まで付き添ってくれた。

冒険の無事を祈った後。

申し出を断り、銀の網亭にエレボスは戻った。